2009/06
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思いやりに満ちた社会④

Posted on 2009年6月1日 by omi

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この写真は昨年10月のもの。

大阪の府立高校の生徒が修学旅行で「うらほろ」町にやってきた。

その時の様子は、こちらの動画から>>>

来年度から本格実施のこの都会の子どもたちの受け入れ。

従来のイベント的な「たのしい」「おもしろい」だけの 一過性の修学旅行だとは考えていない。

望むのは、このことをきっかけとした都会の子どもへの 「気づき」の場の提供だ。

大阪は、食料自給率2%。
つまり、他の地域から食料が運ばれてこれるから、この地域での 生活が成り立っている訳だ。
他の地域からの食料の流れが万が一ストップしたら。。。

人が集まり、情報が集中し、この国をひっぱっていく、都会。 でもその大都会である「東京」や「大阪」は、そこだけが持っている 力だけでは成り立たない。生きて行く上で欠かせない「食」。 そこは間違いなく他の地域からの支えがあるから、成り立っている。 いままでは、食料の大半は、海外から入ってきた。
でも、最近問題視されている世界的な食料危機問題。 今後も安定して海外からの食料の供給が保障されている訳ではない。

昨今の隣国「中国」の食の問題が起きたことで、安心安全なものへの こだわりは、多くの消費者の心に響いている。
同時に今、この国が真剣に考えなければならないのが、 自国である程度の食をまかなうこと。
つまり、自給率アップとうことだ。 とくに、さらに自給率が低い都会の人たちは、より真面目に 考えてほしいことだ。

この国がカロリーベースで自給率40%。 つまり、海外からの輸入がストップしたら、餓死するものが出てしまう ことになる。
大阪2%は、どんなに深刻なことか。。。。

でもだからと言って、都会に食料の生産機能を持たすというのは、 ナンセンスなこと。都会(都市)には、都市の機能と役割があり、 食料を生産する農山漁村には、農山漁村の機能と役割がある。 お互いの役割をきちんと認識して、互いの足りないものを補い 合ってゆけば良いのだ。

都市と農山漁村が互いを認め合い、思いやり、支え合う社会が この国の未来の形になってほしい!

話は、大阪の高校修学旅行に戻る。

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上の写真は、高校生が浦幌町長の水澤さんに「寄付金」を贈呈して いるところ。

「寄付金」???

実は、この修学旅行の前に高校で行われた学園祭であることをした。

それは、うらほろの農作物を送って、子どもたちに販売してもらったのだ。

自分たちにとってもかけがえのない町に愛着を持ってほしいという 目的で行った。その売上金を「自分たちにとってもかけがえのない町の 発展のために使ってほしい!」そのメッセージとともに、町長へ 売上金が寄付された。

どこまで子どもたちに本質的なことが伝わったかは、分からないけど、 そんな想いを込めて、学園祭で表現させてもらった。

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「うらほろ」には、海もある。 写真は、漁師が秋鮭の解体をしている所を見学しているところ。

「いくらだ、いくらだ!!」

「血がいっぱい。。。。」

食の生産現場は、他の生き物の生命を奪う場でもある。

「いただきます!」その意味をきっと感じてもらえたことと思う。

「おっちゃん、ありがとう!」

「おっちゃんたちがいるから、うちら、大阪にいても美味しい  鮭が食べれるし。」

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漁港で最後に撮った写真。

「おっちゃん、ありがとう!」

普段聞かない食べ手からの感謝の言葉にきっと漁師たちも うれしい気持ちになったことと思う。

食の安心安全につながる生産者の意識はこういう瞬間に 感じる「気づき」の積み重ねにあると実感した。

来年からの本格実施。

都市と農山漁村の新しいパートナーシップを築くための きっかけと考える修学旅行を取っ掛かりとしたこの取り組みは、 次年度からスタートする!

未来のために、いまできること。

我々大人にできることの、はじめの一歩だと思っている。

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2009/05
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思いやりに満ちた社会③

Posted on 2009年5月31日 by omi

子どもたちが夢と希望を持てる社会を目指し、 また、都市と農山漁村の支え合いの社会を目指し、 いま、私の住む「うらほろ」ではじまる新しい動きです。   img001 img01 img02 img031 img04 農山漁村の魅力と価値をまず地域住民が再認識するところから、 すべてが始まる。子どもたちに向けたいままでにない、はじめの一歩です。

子どもたちが大人になった時、都会の人たちと「思いやりに満ちた支え合いの 社会」が構築できることを祈って。

ふるさとづくり計画の動画はこちら
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思いやりに満ちた社会へ②

Posted on by omi

「この国は、なんでこんなに冷たい世の中になってしまったのだろう」

今朝の某局の報道番組でのコメンテーターの一言だ。

日本の教育についてふれた部分。

欧米では、教育は、国がするものという意識が強いそうだ。 子育てに係る費用、児童手当の額も日本の2〜3倍程度という。

この国はどうだろうか? 教育は親がするもの。 子育ては、親の自己責任。 「みんなで子どもを育てる」という考えはあるだろうか?

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そして一方でこの国は、莫大な借金を次の世代を担う 子どもたちに残そうとしている。

自分を育ててくれた親個人の借金ならともかく、 そのことへの意識を持たなかった「みんな」が作った借金の 負担を背負わすことになる。

果たして、次代を担う子どもは未来に夢や希望が 持てているのだろうか?

このままのこの国の価値観で本当に良いのだろうか?

いま、我々大人にできることって、 なんだろう?

しなければならないことって、なんだろう?

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思いやりに満ちた社会へ①

Posted on by omi

地元浦幌小学校のPTA会長2年目に突入。。。地域にいないことも多いので、不安いっぱいだけど、信頼できるまわりの仲間の支えが本当に心強い。

困った時は助け合う。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜

当たり前のことが、なかなかできない世の中。

3年前に漁師の仕事中に転覆事故に巻き込まれた時に先輩漁師や仲間の漁師は自らの仕事を中断し、最優先で助けにきてくれた。

おおげさな言い方かもしれないが、そのことが、当時の私に大きな衝撃を与えた。

いまの世の中、困っても誰も助けてくれないと思っていた。自分の力で生きていきたい!自分の可能性を引き出したい!そんな思いも私が北海道に移り住んだ理由だ。親もいない、誰も知らない世界で自分の力を試してみたい!もう、20年も前のことだ。

そして漁師になり、加工場を手作りし、ゼロから始めたネット産直販売がちょうどピークの時期だった。楽天市場でも売り上げは年々倍増。テレビなどのメディにも数多く取り上げられた。

ゼロから、誰にも頼らず、自分の力で頑張って、成功を手に入れたと思い始めた時の事故。

自分や自分の家族の幸せしか考えていなかった私に、自分のことしか考えていなかった私のことも仲間漁師は 助けてくれた。

人として大切な一番大事なことをそこで教えられた気がした。

漁師の仕事は、ほんとうに命がけ。漁師たちの暮らしは、いつも自然相手だ。思い通りにならないことが多いし、せっかく立てた計画も計画倒れになることも多くある。

だから、みんなで協力することの意味を体で理解している。

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自然の前では、自分はちっぽけな存在だと認識している。

自分ひとりではなく、みんなで支え合っていくことが自然の中で生きていく上での一番大事なことだと。

いままでの自分もそうだが、都会にいたら、それが良く分からない。

尊敬する養老孟司氏曰く、それが都会であり、人間が人知の及ぶ範囲として作り上げたのが都会であり、計画通りに行くことが当たり前でそのことを追求して行く中で更なる進化をしているのが都会である。

その中にいれば、思い通りにいかないのは努力が足りないと判断され、

支え合っていく価値が見失われ、個人の力が求められ、自己責任の元どんどんと競争が激化していく社会である都会。

その都会が、その価値観がいま行き詰まってきたのは、確かだ。

求めるべきヒントは、漁師から私が学んだように都会の対局にある「自然との向き合うこと」の中にあるのかも知れない。

思い通りにならない自然がすべての基盤。だから支え合うことが大切で、認め合い、補いあうことが大事。そこを理解した上に、個々が努力をすることを覚えていけば、どうなるだろうか?

確かにいままでの農山漁村では、自然と対峙して行く中で思い通りにならない場面が多いので、努力をすることをあきらめる部分は、都会よりも多くあったのも事実。

そちらに偏るのではなく、都会に偏るのではなく、支え合いの気持ちを心の中心に持った上で、お互いに競い合い努力をしあい、高めあっていくことが、これからの社会に求められるような気がする。

都会には都会の役割があり、農山漁村にはその役割がある。

互いの役割を求め合い、支え合い、補いあうこと。

そんな都市と農山漁村の信頼関係を未来に築いていきたい!

2009/05
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新しい仕組み。

Posted on 2009年5月30日 by omi

e697a5e7b58ce5a495e5888aefbc91e99da2e8a898e4ba8b20090527 お世話になっている京都の野村さんから、ある方を紹介していただいた。
ショッピング時に提供されるポイントで社会貢献活動。

私が理事長を務める「NPO日本のうらほろ」 もそうだが、社会貢献などを行うNPO法人などは、どうしても財政難。。。じゃあ、事業費を捻出するために、収益事業をしようとするとコンセプトがずれてしまうなどの問題も生じる。 そんな中、あたらな仕組みがこの斉川さんが考案したシステムだ。
新聞記事中にも書かれているが、斉川社長は、JALのマイレージなどの開発にも携わった方。大企業が儲かるのではなく、社会貢献への新しい仕組みは、あの「エイベックス」社員証という形で導入した。

「おやじの背中を超える会」の活動など、生産者が「気づき」を得るための活動は直接、収益事業には結びつきずらい。こんな仕組みとリンクできたら、どんなに心強いか!

生産者と消費者が交流することが、「食の安全」をはじめ、都市と農山漁村が信頼関係を構築するための最初のステップ。ぜひ、このシステムを導入していきたい!

先日、斉川さんは、わざわざ十勝を訪れてくれた。

斉川社長とおやせなメンバー

斉川社長とおやせなメンバー

ちなみに、お隣の釧路市は、第三セクターの施設利用者サービスとしてこの仕組みの導入を検討されているそうだ。