思いやりに満ちた社会④
この写真は昨年10月のもの。
大阪の府立高校の生徒が修学旅行で「うらほろ」町にやってきた。
その時の様子は、こちらの動画から>>>
来年度から本格実施のこの都会の子どもたちの受け入れ。
従来のイベント的な「たのしい」「おもしろい」だけの 一過性の修学旅行だとは考えていない。
望むのは、このことをきっかけとした都会の子どもへの 「気づき」の場の提供だ。
大阪は、食料自給率2%。
つまり、他の地域から食料が運ばれてこれるから、この地域での 生活が成り立っている訳だ。
他の地域からの食料の流れが万が一ストップしたら。。。
人が集まり、情報が集中し、この国をひっぱっていく、都会。 でもその大都会である「東京」や「大阪」は、そこだけが持っている 力だけでは成り立たない。生きて行く上で欠かせない「食」。 そこは間違いなく他の地域からの支えがあるから、成り立っている。 いままでは、食料の大半は、海外から入ってきた。
でも、最近問題視されている世界的な食料危機問題。 今後も安定して海外からの食料の供給が保障されている訳ではない。
昨今の隣国「中国」の食の問題が起きたことで、安心安全なものへの こだわりは、多くの消費者の心に響いている。
同時に今、この国が真剣に考えなければならないのが、 自国である程度の食をまかなうこと。
つまり、自給率アップとうことだ。 とくに、さらに自給率が低い都会の人たちは、より真面目に 考えてほしいことだ。
この国がカロリーベースで自給率40%。 つまり、海外からの輸入がストップしたら、餓死するものが出てしまう ことになる。
大阪2%は、どんなに深刻なことか。。。。
でもだからと言って、都会に食料の生産機能を持たすというのは、 ナンセンスなこと。都会(都市)には、都市の機能と役割があり、 食料を生産する農山漁村には、農山漁村の機能と役割がある。 お互いの役割をきちんと認識して、互いの足りないものを補い 合ってゆけば良いのだ。
都市と農山漁村が互いを認め合い、思いやり、支え合う社会が この国の未来の形になってほしい!
話は、大阪の高校修学旅行に戻る。
上の写真は、高校生が浦幌町長の水澤さんに「寄付金」を贈呈して いるところ。
「寄付金」???
実は、この修学旅行の前に高校で行われた学園祭であることをした。
それは、うらほろの農作物を送って、子どもたちに販売してもらったのだ。
自分たちにとってもかけがえのない町に愛着を持ってほしいという 目的で行った。その売上金を「自分たちにとってもかけがえのない町の 発展のために使ってほしい!」そのメッセージとともに、町長へ 売上金が寄付された。
どこまで子どもたちに本質的なことが伝わったかは、分からないけど、 そんな想いを込めて、学園祭で表現させてもらった。
「うらほろ」には、海もある。 写真は、漁師が秋鮭の解体をしている所を見学しているところ。
「いくらだ、いくらだ!!」
「血がいっぱい。。。。」
食の生産現場は、他の生き物の生命を奪う場でもある。
「いただきます!」その意味をきっと感じてもらえたことと思う。
「おっちゃん、ありがとう!」
「おっちゃんたちがいるから、うちら、大阪にいても美味しい 鮭が食べれるし。」
漁港で最後に撮った写真。
「おっちゃん、ありがとう!」
普段聞かない食べ手からの感謝の言葉にきっと漁師たちも うれしい気持ちになったことと思う。
食の安心安全につながる生産者の意識はこういう瞬間に 感じる「気づき」の積み重ねにあると実感した。
来年からの本格実施。
都市と農山漁村の新しいパートナーシップを築くための きっかけと考える修学旅行を取っ掛かりとしたこの取り組みは、 次年度からスタートする!
未来のために、いまできること。
我々大人にできることの、はじめの一歩だと思っている。